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お客様に寄り添い 生まれる
幸せの空間
ウエディングプランナー
佐伯エリ
群馬県出身。株式会社レストランスワンにて約15年間、結婚式のプランニングやイベント企画などに従事。2014年以降、「GOOD WEDDING AWARD」で複数の賞を受賞し、2022年には殿堂入り。現在はフリーのウェディングプランナーとして全国で活躍し、セミナー講師やコラム執筆も行う。ウエディングプランナー向けの「SUEHIRO」やコンサルティングサービス「B buddy consulting」の立ち上げメンバーであり、2023年にはインポートドレスショップ『ドレスとハンサム』をオープンした。
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お客様に寄り添い 生まれる幸せの空間
ウエディングプランナー
佐伯エリ
群馬県出身。株式会社レストランスワンにて約15年間、結婚式のプランニングやイベント企画などに従事。2014年以降、「GOOD WEDDING AWARD」で複数の賞を受賞し、2022年には殿堂入り。現在はフリーのウェディングプランナーとして全国で活躍し、セミナー講師やコラム執筆も行う。ウエディングプランナー向けの「SUEHIRO」やコンサルティングサービス「B buddy consulting」の立ち上げメンバーであり、2023年にはインポートドレスショップ『ドレスとハンサム』をオープンした。
結婚式の意義と価値観の変化
私は、主にウエディングプランナーとして個人のお客様の結婚式のプロデュースと、結婚式場のコンサルティング業務も手がけています。このコンサルティングは、売上向上よりもプランナーの人材育成を主な目的としています。また、レストランやホテルなどの施設が結婚式を始める際に、ブランド構築のサポートも行っています。
結婚式のビジネスは一般的に広まってまだ約50年ほどの短い歴史です。もともとは家庭で行われていた結婚式が、もっとおもてなしをしたいというニーズから、会館やホテルで行われるようになりました。さらにこの20年でインターネットが普及し、情報量が増えたことで、お客様のニーズも多様化しました。昔は結婚式を行うこと自体がゴールであり、質やプロセスはあまり重要視されていませんでしたが、現在ではお二人自身が結婚式を主催し、自分たちらしい式を望むようになっています。時代の価値観が変わり、豊かになることで、結婚式に意味や価値を求める声が高まってきたのです。
結婚式の仕事は人々の人生に触れるという意味で、とても繊細な感覚が必要で、自分の物差しが偏ってしまうと、正確な判断が鈍ると感じています。群馬県は程よい人口で、海も山もない平らな土地、わかりやすく平等な季節感が、神経を休ませおだやかに時間を過ごすことができます。それでいて、様々な芸術にも触れることができ、私にとって仕事も生活もしやすい環境です。
自分のカラーを出さないプランニング
結婚式をプロデュースする際に最も大切にしているのは、「自分のカラーを出さないこと」です。自分の得意な分野に寄せた世界観でまとめるのではなく、ニュートラルなプロデュースを心がけており、私のカラーを出すのではなく、一歩下がって、お客様のカラーをちゃんと探してあげることが大事だといつも思っています。そのために毎回必ず行っているのが、コンセプトミーティングです。2〜3時間かけて、70問以上の質問を通じておふたりの希望や価値観を深掘りし、彼らの理想の結婚式像を明確にしていきます。その結果として、「ふたりの結婚式はこんな感じが良いよね」というビジュアルシートを作っていくんです。結婚式の大枠のゴールを示すことで、クリエイターたちがアイデアを出しやすくするための基盤ができあがります。
私のプランニングのもうひとつの特徴が「音楽人前結婚式」です。コロナパンデミックは、結婚式の中でも必要なもの、不要なものについて考える良い機会でした。多くのものを排除せざるを得なかったその先に、「それでも今できることで何をしたいですか」と問いかけると、「挙式」と「会食」という答えが多く寄せられました。そのときに生まれたのが「音楽人前結婚式」です。これはお二人にヒアリングをして、お二人の心の中から出てきた言葉でシナリオや演出を作り、群馬出身の演奏家による生演奏や、DJによる音楽演出の力を借りてセレモニーをオーダーメイドで作るというものです。
音楽や言葉は、一瞬で記憶のトリガーになるように本当に強い力を持っています。言葉そのものに形はないものの、人を励ましたり、傷つけたりする大きな影響力を持ちます。結婚式そのものでも、その準備においても言葉を大切にし、クライアントの心に響く式を作り上げることに全力を注いでいます。
私のライフフィロソフィー
私、人は、特に若いうちは全員平等にダイヤの原石だと思っています。リアル社会ではシンデレラストーリーのように誰かが見つけて磨いてくれることはなく、自分で磨かなければならない。でも、いい大人に出会えば磨く道具を差し出してくれることがあって、自分でその道具を手に取って磨き続けるかどうかだと思います。磨くってガリガリと削ることだから痛い作業ですよね。絶対に痛みを伴うことだけど、それを自分の手で出来た人だけが10年後、20年後に輝いているだろうなと思っています。
私自身も、年輪みたいに1㎜でも1周でもいいから、去年の自分を超えたいと思っていて、退化せずに常にアップデートし続けたい。仕事は「生きることそのもの」であり、自己表現の場です。人間は誰しもが表現者であり、自分を表現したいという欲求を持っていると思います。結婚式本番の現場にいる時、最も生きている手応えを感じ、お二人やゲストの感動する姿を目の当たりにすることで、大きなやりがいを感じています。これからも自分の力を信じて多くの幸せな空間を生み出していきたいと思っています。