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成長の鍵は仕事を「楽しむこと」

ティー・エム・エス株式会社
代表取締役

佐々木 高之

北海道北斗市出身。不動産、建築業界から造船業などを経て、1999年にティー・エム・エス株式会社を設立、代表取締役に就任。現在、本社を群馬県高崎市に設置、東京都、埼玉県のほか、中国;大連、米国;ロサンゼルス・ホノルルなど、国内外に20以上の拠点を構えている。

https://www.tms-web.co.jp/

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成長の鍵は仕事を「楽しむこと」

ティー・エム・エス株式会社 代表取締役

佐々木 高之

Sasaki Takayuki_プロフィール画像

北海道北斗市出身。不動産、建築業界から造船業などを経て、1999年にティー・エム・エス株式会社を設立、代表取締役に就任。現在、本社を群馬県高崎市に設置、東京都、埼玉県のほか、中国;大連、米国;ロサンゼルス・ホノルルなど、国内外に20以上の拠点を構えている。

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幾多の逆境を乗り越えて築いた26年の信頼と実績

 当社は人材派遣・人材紹介といった総合人材サービスを提供しています。派遣している方の9割以上は日本人で、主に製造業や物流業界に派遣しています。活動の拠点は群馬を中心に埼玉、東京、愛知など東日本を中心に展開しており、地域に関わらずクライアントとの連携で進めています。日本国内では約70人の従業員が働いており、アメリカや中国といった海外を含めると全体で約90名ほどになります。

 私自身は、社会人になって不動産や建築、造船業など多くの業界で経験を積んできました。造船業に携わっていたとき、そこで働いていた方の業界を聞いたことをきっかけに「人材派遣」という業界があることを知りました。この仕組みが非常に興味深く、さらに研究を進めているうちに、これがビジネスチャンスになるのではないかと感じ、今の事業を進めるきっかけとなります。

 起業当初は、業界の知識が不足していたため、多くの壁にぶち当たりました。クライアントに全ての人材を奪われそうになったり、売り上げの8割を占めていたクライアントが他の会社に買収され、契約が打ち切りになったこともあります。思い出すだけでも心が重くなるような経験ですが、今年26期を迎えることができたのは、群馬の人材業界で1番になろうと突き詰めて展開し、そして達成してきたからこそだと思っています。また、クライアントや地域のニーズを細やかに把握し、常にその期待に応え続ける努力を怠らなかったことも、長期にわたる信頼の構築に寄与していると考えています。

Sasaki Takayuki_インタビュー風景2

会社の環境改善こそ成長につながる

 人材業界は厳しい営業ノルマや労働環境から、離職率が高いことで知られています。私は設立当初から、良い職場環境を作ることを意識してきました。過去に自分が働いた会社で嫌だった点を改善することから始めました。

 たとえば、有給休暇は必須取得にし社員が申請しやすい環境づくりをしたり、仕事が早く終わった社員からすぐに帰れるようにしたりしています。また、社員から意見が言いやすい環境を整えることも大事です。昇格や降格も実力次第で公平に行われるので、評価制度はシビアですが、これが社員のモチベーションにつながっていると感じています。

 さらに地域密着を基本にしており、各地域の皆さまへ少しでも還元できるよう、細かく拠点を配置しています。今後3年以内にあと5支店増やし、合計20支店に到達することを目指しています。今では群馬県内だけでなく、埼玉、東京、愛知といった地域にも支店を構え、より広範なエリアでサービスを提供しています。特に、クライアントとの密な連携を重視し、派遣スタッフが安心して働ける環境を整えることで、地域社会全体に貢献できるよう努めています。今後も、さらに社員が安心して働ける環境の提供を進め、地域経済の発展に寄与するための新たな施策も検討中です。

Sasaki Takayuki_会社看板

仕事は喜びを得るための手段

 私にとって仕事は「喜びを得るための手段」です。苦しみの中の人生ではなく、喜びの中の人生であるべきと考えています。「苦しいのが普通だろう」という考え方もありますが、それはやはり違うと思います。仕事は続かないし、自分に合わないことからは喜びは得られません。あくまで楽しむための手段であり、若い人たちにもそんな風に仕事を楽しんでほしいと心から思っています。

 そして仕事を続けるうえでもうひとつ大切にしているのは、「固定概念」をつくらないということ。自分の視点だけにこだわってしまうと、新しい気づきがあっても見逃してしまいます。生きていると気づかないうちに自分独自のルールができてしまい、往々にしてそれに囚われがちになります。そのため、私はものごとをなるべくフラットに見るように心がけており、自分のなかで気づきがあればそれを必ず取り入れるようにしています。

 極端かもしれませんが、たとえば「ゲン担ぎ」や「来世の存在」はある種の固定概念でもあり、私は「人生を甘やかしてしまう」ものだと考えています。昔は気にしていたときもありましたが、よくよく考えると結果が出るまで行動した努力は「運がよかったね」「ラッキーだったね」で済まされるべきものではないですよね。行動してきたからやっと結果が出たんだという絶対的な前提があります。「来世が存在する」という考え方も、自分の人生に責任を持てなくなると感じているので、私は自身の考え方に取り入れていません。「来世なんてない」と思ったほうが、私にとってはこの今を100%生き抜くことができると強く思っています。福沢諭吉が「Liberty」そして「Freedom」をどちらも”自らを由とする”と説いたように、自身の人生にしっかりと向き合わないと自分の責任のもとで自由になれないんです。

 人によって、向いている業種も働き方も、人生の状況も異なります。今、その人にマッチングする仕事を案内することは、その人の人生をうまくコーディネートすることだと思っています。人材派遣はまさに「人の人生に触れる」仕事であり、責任感もありますが、今後も群馬県や関東圏内を中心に、地元企業や地域の皆さまの人生を支えられるよう、会社として日々成長を続けていきます。

Sasaki Takayuki_インタビュー風景1