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持続可能な未来のパートナー
省エネコンサルの魅力

三究知株式会社
代表取締役

石川 智治

群馬県出身。1996年に県内の大学の法学部を卒業後、燃焼プラントメーカーへ入社。環境分析会社を経て、2018年に独立し、三究知株式会社を設立。作業環境測定士、エネルギー管理士の資格を所有。

https://sankyuuto.com

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持続可能な未来のパートナー
省エネコンサルの魅力

三究知株式会社 代表取締役

石川 智治

群馬県出身。1996年に県内の大学の法学部を卒業後、燃焼プラントメーカーへ入社。環境分析会社を経て、2018年に独立し、三究知株式会社を設立。作業環境測定士、エネルギー管理士の資格を所有。

https://sankyuuto.com

文系から技術職へ 就職氷河期を乗り越えて培った専門性

 当社は持続可能な社会を目指し、脱炭素、省エネコンサルティング、作業環境および環境測定、環境配慮型商品の開発など、多岐にわたる環境事業を展開している企業です。世界が2050年のカーボンニュートラル達成を目指す中、当社もまた、この目標実現に貢献することを使命と捉えています。省エネの徹底によって、温室効果ガスである二酸化炭素をはじめとする排出量削減を推進し、次世代にとってより良い環境を引き継いでいくことを目標に掲げています。

 大学では法律を専攻していましたが、子どもの頃から機械いじりが好きだったこともあり、卒業後は産業廃棄物を焼却処理する燃焼プラントメーカに入社しました。当時は就職氷河期で、文系出身者が技術職で採用されることはほとんどありません。同僚はみんな理系出身だったので本当に苦労しました。やっとのことで内定を獲得したのもつかの間、入社後は熱計算の方法や図面の読み方、電気に関する知識などを一から学び、追いつこうと必死でした。環境分析会社に転職後は、エネルギー管理士などの資格を取得するなど、学びをさらに広げていきました。

 もともと起業への憧れがあった私は、これまでに積み重ねた専門性と、妻の後押しもあって2018年に独立、当社を立ち上げました。創業後は近県の同業者からクライアントを紹介してもらったり、趣味のマラソンで全国の大会に参加することで人脈を広げ、案件を獲得するなどして実績を積み上げてきました。現在では長年培った知見を活かし、自治体が主催する省エネや補助金に関するセミナーで講師を務めたり、企業向けの研修や一般向けのワークショップでも環境保全について発信しています。

ニーズに応じた 柔軟なエネルギーコンサルティング

 私たちの強みのひとつとして、業種や設備に制約されず、さまざまな企業に対して省エネ効果を分かりやすく伝えられる点があります。お客様の事業内容や設備環境に応じた提案を行うため、各現場の条件を熟知し、効率的なエネルギーの使用法や最新の技術を活用した省エネ対策を示し、具体的な削減効果を伝えられるよう心掛けています。

 依頼を受けると、まずクライアントから年間の電力使用量や燃料消費量などの情報をヒアリングします。その後、現地に足を運んで、油や水、空気といった液体や気体の流量も測りながら、エネルギーが浪費されている原因を探り出し、解決策を導き出す流れです。省エネ診断を行った中小企業の中には、光熱費を削減しただけでなく、補助金を活用して生産設備を更新することで受注を増やし、売り上げ拡大につなげているケースも少なくありません。企業の利益に直結する業務なので、プレッシャーも感じる場面がありますが、お客様の会社が業績を伸ばしていく過程に立ち会えるのは本当にやりがいを感じます。

 作業環境に関するコンサルティングでは、例えば揮発性が高く人体に有害な有機溶剤から従業員を守る方法などもアドバイスします。目には見えない排気の測定には、スモークテスターと呼ばれる白煙を出す装置を使用して、気流の流れを視覚的に確認し、換気が適切に行われているかをチェックします。特に相談が多いのは夏の高温対策です。熱中症防止のため温度管理に力を入れている工場も多いですが、湿度や機械が発するふく射熱にも気を配る必要があります。そこで私たちは、暑さの要因となる熱指数を割り出し、その数値に基づいて、実効性のある予防策を提案していくのです。

 またカーボンニュートラルをテーマに「三究知アンテナショップ」もECで展開しています。太陽光発電機の下や休耕田などを活用して栽培しているどくだみの紅茶や、どんぐりの仲間マテバシイを100%使用したどんぐりコーヒー、さらに試験醸造免許を所得するなど、持続可能な社会を意識するだけでなく、自分たちで体現するために商品開発・販売をおこなっております。

環境ビジネスにうってつけの群馬

 環境ビジネスは、持続可能な未来を実現するために不可欠な分野であり、多くの可能性を秘めています。このような多忙な業務を続けてこられているのは、家族の理解と支えがあってこそです。起業の背中を押してくれたのも妻でしたし、事業を進めるうえで家族の協力がなければ、ここまでの発展は難しかったと実感しています。家族が一丸となって応援してくれることが大きな力となり、会社の成長だけでなく、地域社会への貢献にもつながっています。

 私たちにとって、群馬県という地理的利点も実は大きな強みです。関東地方をはじめ、東北や北陸の事業者ともつながりを持ちやすい位置にあり、これまでにも数多くの企業と協力してきました。今後も地域社会に根ざし、環境ビジネスの可能性を探りながら、群馬県内の企業と共に持続可能な地域づくりに取り組んでいきます。また、幅広い世代に脱炭素について自分ごととして捉えてもらうため、学習機会の創出にも注力していきたいです。ゆくゆくは大人から子どもまでが環境問題について理解を深める研修施設みたいなものをつくりたいと考えています。地域経済の発展や地域住民の生活向上に資することが、私たちの使命だと捉え、日々活動を続けてまいります。