20

未来を見据えた、家づくりの新時代へ

ハラサワホーム株式会社
代表取締役

原澤 浩毅

群馬県太田市出身。1991年に京都大工学部建築学科卒業後、スタンフォード大学建築経営学大学院へ進学。修士課程と博士課程を修了後、帰国。1996年に父親が経営するハラサワホーム株式会社に入社し、経営企画室室長として従事。取締役、営業本部長を経て、2004年に代表取締役就任、現在に至る。

https://www.hrsw.co.jp

20

未来を見据えた、家づくりの新時代へ

ハラサワホーム株式会社 代表取締役

原澤 浩毅

群馬県太田市出身。1991年に京都大工学部建築学科卒業後、スタンフォード大学建築経営学大学院へ進学。修士課程と博士課程を修了後、帰国。1996年に父親が経営するハラサワホーム株式会社に入社し、経営企画室室長として従事。取締役、営業本部長を経て、2004年に代表取締役就任、現在に至る。

https://www.hrsw.co.jp

多彩な経験が導く未来の住まい作り

 当社は1979年に私の父が創業しました。ツーバイフォー(2×4)住宅の日本国内解禁をきっかけにスタートしたと聞いています。それ以来、40年以上にわたり良質なツーバイフォー住宅を建設してきました。この会社の成長のおかげで私自身も学校に進学し、関西や海外で貴重な経験を積むことができたと実感しています。

 学生時代には、高校の恩師から教わった数学的思考を活用して「世の中の事象を科学的に捉える力」を養いました。その後、自由な学風に惹かれ京都大学に進学し、やがて海外で自分を試したいという気持ちが芽生え、スタンフォード大学へと進学しました。研究所は人種や年齢に関係なく、先進的で実用的な研究開発に潤沢な予算が配分され、民間企業のサポートを受けて力強く推進されている場所。シリコンバレーという産業地域がどのように誕生し、発展してきたのかを身をもって体験することができたと確信しています。

 そしてこれまでの経験を生かして社会貢献をしたいと考え、父と約束し10年以内に会社を継承することを決意しました。現在、建築現場ではシックハウスの予防や光熱費を抑える設計、地震に強い構造など、高度な技術が求められています。また環境税の導入も見込まれており、これに備える必要もあります。私は、世間の動きを先読みした経営視点を持ち、住む人々のことを真剣に考えたサービスに取り組み続けたいと考えています。

根拠に基づく開発がもたらす安心

 当社の特徴の一つは「HAS(ヘルシー・エアー・システム)の家」です。HASとは、空気清浄機を搭載した24時間全館空調・換気システムのことです。HASは群馬大学医学部との共同研究を通して、この室内空気の維持管理によって居住者の呼吸器疾患の改善が可能であることを、医学的な治験と臨床データをもって証明しております。家の中の空気は、花粉やウイルスなどの有害物質が意外と多く含まれていますが、当社のシステムを導入すれば、2時間で約9割まで除去することができます。さらに、室温も一年中快適に保たれ、冬は19度、夏は28度前後を維持。湿度は40~60%に管理されるため、冷房病のリスクも減り、家の中に洗濯物を干しても嫌なにおいがしないのが特徴です。

 他にも、国土交通省認定の「アドバンスド・フレーミング2×6工法」や、特許基礎工法「サーマルバリアPSB」を活用した、耐震性や蓄熱性に備えた建築に自信を持っています。

 建設業における技術開発では、とくに中央官庁や地方行政からの許認可が不可欠です。群馬県は地方行政の基盤がしっかりしていることに加え、東京などの中央官庁へのアクセスも良く、新技術の許認可が非常にスムーズです。この地の利を活かし、当社は今後も全国に先駆けて、未来社会に必要な技術開発に取り組んでいきたいと考えています。

次世代へ引き継ぐ住まい

 現在、世界中で注目を集めている「健康や持続可能性を大切にするライフスタイル」を指すLOHAS(ロハス)。これは人々の健康を最優先にしながら、地球環境にも優しい持続可能な社会を目指すという考え方です。この理念を住環境に置き換えると、「健康と持続可能性を重視する住まい」と「その住まいで過ごす質の高い生活」を意味します。私たちが掲げる「健康(Health)・100年住宅(Sustainability)」というコンセプトと、LOHASはまさに一致しています。

 当社は「家を建てて終わり」ではなく、建てたあとも長期的にお客様をサポートし、次世代へとお住まいを引き継ぐお手伝いに力を入れています。これこそが住まいの本質であり、真の豊かさを実感できる家だと信じています。その取り組みの一環として、振動センサーの開発を進めています。この技術により、築年数が経過した住宅でも安全性を見える化し、次世代へ安心して受け継ぐことが可能になります。これにより、中古住宅の流通促進にも貢献したいと考えています。

 建設させていただいたお客様の家を、良好な状態でより長く維持し、100年以上の耐用年数を実現することを当社は目指しています。住まいは次世代へと引き継がれる大切な財産です。これからも新しい技術や取り組みを通じて、お客様の期待を超える住環境を提供し、未来の社会に貢献してまいります。