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熱き魂で群馬の未来を創れ。
教壇からプロバスケ界へ
群馬クレインサンダーズ(株式会社群馬プロバスケットボールコミッション)
代表取締役社長
阿久澤 毅
群馬県前橋市出身。桐生高校時代、甲子園に出場し王貞治以来の2試合連続ホームランを放つなど活躍。群馬大学に進学し、学校の教師として37年間勤務、野球部の監督を務める。2020年7月よりプロバスケットボールチーム「群馬クレインサンダーズ」の代表取締役社長に就任。
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熱き魂で群馬の未来を創れ。教壇からプロバスケ界へ
群馬クレインサンダーズ(株式会社群馬プロバスケットボールコミッション) 代表取締役社長
阿久澤 毅
群馬県前橋市出身。桐生高校時代、甲子園に出場し王貞治以来の2試合連続ホームランを放つなど活躍。群馬大学に進学し、学校の教師として37年間勤務、野球部の監督を務める。2020年7月よりプロバスケットボールチーム「群馬クレインサンダーズ」の代表取締役社長に就任。
「先生」から「社長」へ。定年間際で決断した新たな挑戦
小学校の教諭を2年、そして高校の教諭を35年。生徒たちと共に汗を流し、野球部の監督として指導に情熱を注いできました。スポーツを通じて若者の成長を支えることに喜びを感じていました。そして定年を目前に控えたある日、突然プロバスケットボールチーム「群馬クレインサンダーズ」の代表取締役社長への就任を打診されたんです。
指導者として群馬の野球業界を盛り上げてきた実績を背景に、群馬クレインサンダーズのゼネラルマネージャーである吉田真太郎(株式会社オープンハウスグループ常務執行役員・株式会社群馬プロバスケットボールコミッション取締役・群馬クレインサンダーズゼネラルマネージャー)から「群馬をスポーツで盛り上げてほしい」という固い意志でいただいたオファーでした。ただ、バスケットボール業界は全くの未知であり、やはり最初は驚きと戸惑いがありました。そもそも、一介の高校教師がプロバスケットボールチームの代表に就任する例なんて、聞いたことがありません。
しかし、スポーツが持つ可能性と地域活性化への貢献を考えると、新たな挑戦への情熱が湧き上がってきました。これまで培ってきた教育者としての経験や、人とのつながりを活かせるのではないかと考え、勇気を持って新たな一歩を踏み出すことを決意したわけです。
コロナ禍で何ができるか…逆境こそ源動力
社長就任後、まず直面したのは新型コロナウイルスの影響でした。試合の中止や観客動員数の制限を余儀なくされ、クラブ経営に大きな困難が生じました。特に試合当日に中止が決定し、準備していたイベントやマルシェが急遽中止となった際は、関係者やファンの皆様に多大なご迷惑をおかけしました。その度に自らお詫びに回りに行ったこともあります。
やっと再開できるようになっても、数千人も収容できるアリーナに数百人の観客、という日もありました。正直なところ「明日、何人来てくれるのだろうか」と頭を抱える日々が続いていました。もちろんこの影響はBリーグ全体の話でもあったかと思いますが…やはりあのときの心苦しく、申し訳ない思いは忘れられないですね。
しかし、逆境の中でも何ができるかを常に考え、行動しました。試合が中止でもマルシェだけは開催し、来場者の方々に少しでも楽しんでいただける場を提供しました。また、選手とファンの距離を縮めることが難しい状況下でも、少しでも一体感を感じていただけるよう工夫を凝らしました。特別なことはあまりできませんでしたが、試合を楽しみにせっかく来ていただいたのだから、クラブとして試合に代わるなにかを提供しなければならない。選手・スタッフ一丸となって動けた経験は、コロナ禍が過ぎた今に大きく活きています。
ホームタウンを前橋市から太田市へ移転するという大きな決断も行いました。新アリーナの建設や駐車場問題の解決など、課題は山積していましたが、市民の皆様や太田市をはじめとした行政の方と何度も話し合い、一つ一つ乗り越えていきました。特に新アリーナ「オープンハウスアリーナ太田」は、最新の設備と臨場感溢れる観戦体験を提供し、ファンの皆様から高い評価をいただいています。初めて来ていただいた方はみんな、天井に吊り下げられた14面もの巨大ビジョンをを見上げて、目を大きく開けて圧倒されています。
群馬一体となって、目指す日本一
おかげさまで2023−24シーズンは30試合連続でチケット完売を記録、売上は約20億円以上となり、2026年10月から始まる「B.LEAGUE PREMIER」の参入が正式に決定しました。
最新の音響や照明設備を活用し、試合だけでなくマルシェや音楽イベントなど、地域の方々に多彩なエンターテインメントを提供することができ、バスケの本場アメリカNBAのコートに引けを取らない強みをもつアリーナ。私たちはこの5000人収容のアリーナを、これからも常時満席にすることを目指しています。
そしてこれからの目標は、群馬クレインサンダーズを日本一のチームにすること。群馬クレインサンダーズはこれからも”1点”にこだわり、”1秒”にこだわり、”1勝”にこだわり、”1試合1試合”戦っていきます。そのために最大限、私たちが総力を上げてサポートしていく所存です。
私のこだわりは、チームと地域が一体となり、共に成長していくことです。たとえば地元の企業や学校、行政と連携して、バスケットボールを通じて地域活性化に深く貢献したいと考えています。群馬は私が生まれ育った大切な故郷です。この地から新たな文化や価値を創出し、スポーツの力で地域を盛り上げ、未来を創っていくことが私の使命であり、情熱です。群馬県全体からファンを増やし、バスケットボールの魅力を多くの方々に伝えていきたいと思いますし、これからも「やればできる」という信念を持って挑戦を続け、群馬から日本、世界へと羽ばたくチームを目指してまいります。