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逆境からの起業、「人」を軸に社会に貢献しつづける
ジャパンエンタープライズ株式会社
代表取締役CEO
太田 秀明
昭和50年2月15日生まれ、東京都出身。桐生市立商業高校、東海大学付属望星高校、法政大学を経て、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科ソーシャルデザイン専攻修了。大手出版社と大手派遣会社での勤務経験を経て、2009年に起業し、人材派遣事業及びイベント系事業を行う会社を設立。2011年の東日本大震災で一時休業を経験するも、EAPコンサルタント事業及び人材派遣事業、オンラインアシスタント事業を柱として再起を果たす。
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信頼ある技術と共に、顧客に寄り添ったコンサルティングを実現
ジャパンエンタープライズ株式会社 代表取締役CEO
太田 秀明
昭和50年2月15日生まれ、東京都出身。桐生市立商業高校、東海大学付属望星高校、法政大学を経て、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科ソーシャルデザイン専攻修了。大手出版社と大手派遣会社での勤務経験を経て、2009年に起業し、人材派遣事業及びイベント系事業を行う会社を設立。2011年の東日本大震災で一時休業を経験するも、EAPコンサルタント事業及び人材派遣事業、オンラインアシスタント事業を柱として再起を果たす。
リーマンショックと起業の決意
2009年、リーマンショックが世界を揺るがしたその年、私は大手派遣会社の本社に勤務していました。経済危機の影響で、会社は早期希望退職制度を導入するなど大規模な人員削減を行うことになり、私には退職する選択肢しか残されていませんでした。退職後、いくつかの人材派遣会社から内定をもらったものの、経済危機的状況でその給与はこれまでの半分程度。このままでは生活が立ち行かないと感じた私は、思い切って自分自身で会社を設立することを決意しました。周囲は反対のみで、起業は安易な選択にも思えましたが、他に道がないと感じた私にとっては、むしろ希望の光でした。
私たちの会社は、EAPコンサルタント事業、人材派遣事業、オンラインアシスタントサービス事業、そして芸能マネジメント事業を展開しています。これらは一見、異なる分野の事業のように見えますが、全てに共通するのは「人」を中心に据えていることです。EAPコンサルタント事業ではハラスメント対応及びメンタルヘルスのサポートと企業の生産性向上、オンラインアシスタントサービス事業では、社内の人材がコア業務に専念するためのサポート及び在宅勤務を希望する方の雇用創出、というように、人とのつながりを重視し、企業や個人の成長を支援することを目的としています。
現在、特に注力しているのはEAPコンサルタント事業の中でもハラスメント対策です。パワハラ防止法施行後も、民間企業だけでなく、行政や、芸能界、スポーツ界などでも連日パワハラ報道がされています。当社は多くの企業に対して、パワハラやセクハラなど様々なハラスメントに対するコンサルティング、研修、相談窓口の設置を行っています。ハラスメントは権力による嫌がらせであり、上司に意見を言えない部下や、目上の人に強く拒否できない人が多い現社会の組織構図から起こっています。私たちは研修で知識を広め、社外に相談窓口を設置することで、社員が安心して相談できる環境を整えています。これにより職場環境の改善と生産性の向上を目指し、深刻な人手不足の中だからこそ社員を大切にすることが重要だと考えています。
「笑顔・勇気・感謝」を大切に
会社として大きな分岐点となったのは、2011年の東日本大震災です。私たちにとって、とても大きな試練でした。事業が軌道に乗りかけた矢先の出来事で、売上が急激に下がり、大切な仲間であり親友も失いました。一度は休業を余儀なくされましたが、アルバイトや中小派遣会社勤務を経て事業を再開することができました。この時に、必ず社会に必要とされる企業にしようと強い決意と覚悟を持ちました。今やるべき事と進めていくべき事をきちんと分け、必要とされるべきことを行えば必ず評価されると信じていました。この経験は、経営者としての私に大きな成長をもたらし、今でも大きな糧となっています。
そのような経験から、当社では全社員に対して、常に笑顔を忘れず、勇気を持って新しいことにチャレンジし、全ての人に感謝の心を持つよう徹底しています。新しいことを始めるには勇気が必要ですが、行動を起こさなければ問題点は見えてきませんし、改善の機会も訪れません。知識は行動を通じて身につくものです。何事も行動しつづける勇気を持ち、失敗を恐れず、失敗は間違った方法を見つける過程として捉えることが重要です。社員が積極的にチャレンジできる環境を作ることが、私の役目であり、それが当社の重要な価値観です。そして、常に笑顔を忘れず、自分に関わってくれた人への感謝の気持ちを持つこと。「笑顔・勇気・感謝」これが、当社が大切にしていることです。
群馬から米国へ、学び続ける姿勢
私は、幼少期に東京から群馬県に移り住みました。群馬県は、人とのつながりを大切にする風土が強く、経営者同士もライバル意識よりも共に進む姿勢を持っています。この人間関係の良さは、ビジネスを行う上で非常に大きな強みとなります。東京へのアクセスも新幹線で1時間と良好であり、関東圏内だけでなく長野県や新潟県にも車で移動可能な、『便利さ』が群馬の魅力です。
今後も、社会に必要とされる企業でありつづけることが私のビジョンです。そのために、当社の20期目となる4年後にEAPの発祥の地である米国へ渡る予定です。米国のEAP事業を見て、聞いて、触れて、学び、それを自分たちの事業に活かし、国内の企業貢献に繋げたいと考えています。メンタルで休職している方が毎年増加していますが、減少させることが出来るのであれば、私はやれるだけの事をやり切る覚悟です。
群馬を拠点に、米国へと事業を展開する私たちの会社は、今後も「人」を中心に据えたサービスを提供し続けることで、企業の問題解決を支援しながら多様な雇用を創出し、日本のビジネス界に貢献していきます。