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「人財育成」を理念に、
激動する市場へ大いなる飛躍を誓う
株式会社アイ・リンクホールディングス
代表取締役社長
石島 久司
群馬県桐生市出身。県立桐生高校から明治大学卒業後、㈱トーリクへ3年間の期限付きで入社。その後、1991年、家業の石島運送㈱へ入る。2002年、石島運送㈱代表取締役に就任。現在、石島運輸倉庫㈱(旧石島運輸㈱)を始め、15社からなる、㈱アイ・リンクホールディングスを統括する。
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お客様に寄り添い 生まれる幸せの空間
群馬県桐生市出身。県立桐生高校から明治大学卒業後、㈱トーリクへ3年間の期限付きで入社。その後、1991年、家業の石島運送㈱へ入る。2002年、石島運送㈱代表取締役に就任。現在、石島運輸倉庫㈱(旧石島運輸㈱)を始め、15社からなる、㈱アイ・リンクホールディングスを統括する。
物流で多品目を扱い リスク回避で業績を上げる
弊社は、1933年、群馬県桐生市で創業しました。材木を木場まで運ぶのを生業とし、その後、事業を拡大して、食品や家電製品、自動車部品など、さまざまな商品を取り扱っています。私が36歳で事業を継いだ2002年当時は、社員約70名の本社と九州に4、5名がいる出張所を置くという規模の会社でしたが、現在は、グループ売上高134億、同社員約1500人という成長を遂げております。それに伴いまして、運送業、倉庫業、衣料検品、人材派遣、3PLなどの分野で幅広いサービスを提供する総合物流会社となりました。
ここまでできたのは、M&Aによるところも大きいです。ひと口に運送といっても扱う商品で仕事のやり方が異なります。私は、常に自社のグループにはない、新しい品物を扱っている会社へお声がけして、そこから多くの手法を取り入れ、新たなグループとしての強みとして参りました。この考え方に、異を唱えるコンサルタントもいらっしゃいましたが、私が経営を担った頃は、すでにバブルが崩壊しており、2008年にはリーマンショックがありました。専業の業績が突然下落するという予期せぬ状況に対応できる、リスク管理が必要な時代でした。結果的には、こうして一品目に偏らず、グループ全体で危機を回避する方式をとったからこそ、現在に至ることができたのだと思います。
2033年には、売上300億、経常利益18億を目標とし、グループ会社の連携を活性化、全国的な展開を強化すべく、東京に管理や人事、社員教育の機能をもたせたオフィスを設置することで、新たな社内の組織づくりに着手しております。
「人財教育」が会社運営の源
社長業を継ぐにあたって、私はこれまでなかった弊社の社訓、経営理念を掲げました。まず、運送業においては「真心つなぎ」であり、業務が拡大した後「人財(ひと)つくり」という言葉が加わりました。「大事なのは人の心であり、人は財産である」、私のこの思いを社員の方にわかってほしかったからです。
そして、その理念を深く浸透させるべく社員教育、人財教育に力を注いでいます。M&Aで他社から来られた皆さんが最初に驚くのは、弊社の社員教育活動で、ここにはかなりの予算が費やされております。私自身、大学のゼミでは担当の先生から「物流」について貴重な教育を受けました。いまでは「ロジスティクス」が学問の対象となっていますが、当時、「物流」を大学で扱うという考えは稀でした。そして、先生は、就職先には、私が将来家業を継ぐ決心があることを重んじて、修行のためふさわしい会社を紹介してくださったのです。就職した会社も、快く私を受け入れてくださり、そこで学んだノウハウは、弊社の経営にたいへん役立っております。
教育は次世代へ紡いでいくもので、私は社員の方には、次なる言葉を謳っております。「チェンジ&チャレンジ」――市場の変化はあまりにも激しく、社員一人ひとりがチャンレジ精神をもたなければ、会社がたちゆかなくなってしまいます。私の敬愛する松下幸之助さんは「万策尽きたと思うな!自ら断崖絶壁の淵にたて。その時はじめて新たなる風は必ず吹く」と、おっしゃっています。
群馬だからこそ女性の「人財」登用を!
物流会社にとって、群馬県で運営することは、多くのメリットがあります。まず、ここは首都圏や中部地域との交通アクセスが良好です。また、県内には広大な倉庫施設が集積しており、物流拠点としての機能が充実していて、さらに、高速道路や鉄道網が整備されており、効率的な輸送ができます。両毛地方は歴史的に絹織物業が盛んで、労働力として女性が大きな役割を担ってきました。上州名物「かかあ天下と空っ風」といわれますが、令和の世になっても本県の女性は、本当に働き者です。弊社の本社は、もとは桐生市、そしていまは太田市ですから、この地方に住む者として、力ある女性の社会進出を大いに盛り上げていかねばならないでしょう。
一方で、これまで運送業界は、不本意ながら、社会的な地位が低いといわれてきました。これは、業界における社員の定着率を下げる原因にもなっています。また、女性が参入しにくいイメージもあります。時間外労働の上限規制が適用された「2024年問題」により、今後ますます人手不足になることが懸念されていますから、こうした負の要素を払拭していきたいです。
優秀な「人財」を確保するため、社会の血流ともいえる運送業界の責任と魅力を世に訴え、この群馬を拠点に置きながら、男女がともに笑顔で会社運営に参加していただけるよう、私は、日々、全力投球して参ります。