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地域を動かす、鉄板の情熱と挑戦者魂

株式会社コラボレーション
代表取締役

山﨑 健一

流通業や外食業での経験を活かし、1999年に「コラボレーション株式会社」を設立。お好み焼き・鉄板焼きの「KANSAI」を群馬・埼玉に12店舗展開している。

https://collabo-kansai.com/

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地域を動かす、鉄板の情熱と挑戦者魂

株式会社コラボレーション 代表取締役

山﨑 健一

流通業や外食業での経験を活かし、1999年に「コラボレーション株式会社」を設立。お好み焼き・鉄板焼きの「KANSAI」を群馬・埼玉に12店舗展開している。

https://collabo-kansai.com/

お好み焼きで北関東を魅了

 群馬県を中心に、お好み焼き・鉄板焼きの専門店「KANSAI」を展開しています。従来の枠にとらわれない独自のコンセプト、そして味に対するこだわりによって、現在12店舗を展開、現在も成長を続けています。特に、地元の特産品を活かした料理を提供し地域とのつながりを大切にしつつ、つねにお客様に新規性、つまり「ワクワク」を届けるために、店内の内装や雰囲気作りにも力を入れ、訪れるたびに新しい発見がある店舗を目指しています。たとえば店舗ごとにテーマや内装を変えるなど、非日常感を楽しめる空間作りに注力しています。これにより、家族連れや若者にも人気の飲食店ブランドとして成長を遂げてきました。

 もともと小さい頃から「将来、社長になる」と決めていました。”人に雇われる”生き方が自分にはどうしても考えられなかったんです。そして、群馬は毎年小麦の収穫量が全国上位で「麦の国」と言われるほどですし、事業を始めるなら飲食業、それも粉もので勝負したいとずっと考えていました。ただ、すでに群馬にはとんかつなどの全国チェーン店が乱立している状態で、彼らと同じ土俵で戦っていくには当時「群馬にまだない」商品をつくる必要がありました。そこで考え抜いた末に辿り着いたのが「お好み焼き」です。私は関西のお好み焼きが好きだったので、リスペクトを込めて「KANSAI」と命名し、1997年に第1号店を設立しました。

幾多の失敗から学び、未来を切り拓く

 はじめは、もうすべてが大変でした。特に人材には苦労しました。まだマネジメントの「マ」の字もないころでしたから、熱意だけで指導を続けていました。マネジメントの構築について考えはじめたのは4店舗目の展開からです。もちろん構築したものがいつも正しいわけではありませんから、現在もマニュアルのブラッシュアップなどは欠かせません。

 ただ、7店舗目での失敗は人生のなかでも大きなものでした。順調に店舗展開を続けて、次の足がかりとして注力していたレストランバーの事業展開が、2年も持たず失敗。正直かなりの赤字を抱えました。あの時は本当に大変でしたが「何でも成功するわけではない」と痛感し、それ以降は専門店としてのお好み焼き事業に集中することを決めて、現在は鉄板もの一筋です。今思えば、あの失敗はありがたいものでしたね。

 そして私たちは失敗の原因を分析し、以降の事業展開では一貫した方向性を維持することを心掛けています。特に、私たちの看板メニューであるお好み焼きや鉄板焼きにかける思いは強く、独自の「米粉生地」にもこだわっています。この生地では新潟県産の米粉を100%使用し、外は「カリッ」中は「ふわっ」とした独自の食感を実現。油を吸収しにくく、軽い食感が特徴で、焦げ目の香ばしさも堪能できます。失敗の経験は、今後の成長の礎となりました。新たな挑戦を続けながら、地元群馬の食文化を守り育てていくことに全力を注いでいます。

 今後は群馬の食文化を全国に広めていくことを目標としています。新しい店舗の開拓はもちろんのこと、既存店舗でも常に新しいサービスやメニューを提供し、お客様に満足していただけるよう努めています。特に注目しているのは、地元群馬の食材を活かしたメニュー開発です。群馬の農産物や特産品を活用し、地域の食材の魅力を発信することで、地域の活性化に寄与していきたいと考えています。

これからも食の架け橋を目指して

 群馬という地は私にとって、事業を始める上で重要な基盤でした。ここで築き上げたお客様との関係や地域とのつながりは、私の原点です。今後も群馬の魅力を最大限に引き出し、地域社会とともに成長し続けたいと考えています。

 将来的には、群馬の食文化や私たちの提供するサービスを全国、そして世界に広げていくことが目標です。私たちが提供するお好み焼きや鉄板焼きが、群馬の魅力を象徴する存在となり、地域の誇りとなるように、挑戦を続けていきます。

 群馬は自然豊かな地域です。ここから新しい価値を生み出し、全国に発信していける場所だと信じています。これからも地域の皆様とともに、食を通じて未来を切り拓いていく所存です。そして、地域とのつながりを大切にしながら、次世代に繋がる持続可能な店舗運営を目指しています。群馬の未来を担う子供たちに、美味しさや食の楽しさを伝えられる場所を提供し、食を通じて地域社会に貢献していきたいと考えています。