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インバウンドから地域活性化へ
株式会社キャニオンズ
代表取締役
マイク・ハリス
ニュージーランド出身。1992年、オタゴ大学在学時代に交換留学生として静岡県へ初来日。ネパールで出会った「キャニオニング」というスポーツを日本に持ち込みたいと発起し、2000年にキャニオンズを創設。2012年に「群馬県国際交流賞」として群馬県知事より表彰を受け、環境省や観光庁などのプロジェクトにも積極的に参加している。
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インバウンドから地域活性化へ
株式会社キャニオンズ 代表取締役
マイク・ハリス
ニュージーランド出身。1992年、オタゴ大学在学時代に交換留学生として静岡県へ初来日。ネパールで出会った「キャニオニング」というスポーツを日本に持ち込みたいと発起し、2000年にキャニオンズを創設。2012年に「群馬県国際交流賞」として群馬県知事より表彰を受け、環境省や観光庁などのプロジェクトにも積極的に参加している
日本での夢の実現、アウトドアガイドの旅
私たちは「キャニオニング」と呼ばれる、身体ひとつで渓谷を登ったり、滝つぼに飛び込んだりするスリリングなスポーツをはじめ、ラフティングやスキースクールなど多彩なアクティビティを提供しています。毎シーズン、体験者は12,000人を超え、そのうち約30%はインバウンドのお客様です。
私自身、日本には高校生の頃から強い興味を持ち、いつか訪れたいと考えていました。夢が叶ったのは1992年、大学の交換留学生として静岡県を訪れたときです。その美しさに魅了され、大学卒業後には再度日本を訪れ、白馬のスキー場で働くことになりました。その後、群馬県みなかみ町でニュージーランド人がラフティング事業を行っているという話を耳にし、興味を持った私はみなかみ町に移住し、ラフティングガイドとしてのキャリアをスタートさせました。
約4年間のラフティングガイド経験を経て、ネパールでガイドをしている際に出会った「キャニオニング」に衝撃を受けました。その時、みなかみ町の渓谷のことが思い浮かびました。「利根川の水が少ない時期に代わる最適な冒険になるはず。これを日本に持ち込みたい!」という強い思いが芽生えました。そしてその情熱のもと、日本で初めてのキャニオニングツアーを実施し、2000年についに「キャニオンズ」を設立しました。
インバウンド市場へのシフト
設立当初は、都心から避暑地に遊びに来る日本人の若者をメインターゲットとしていました。しかし日本人には「水遊びは夏場だけ」という季節に基づいた独特の文化があるためか、集客も連休に集中します。これではスタッフの通年雇用が難しくなりますし、売上の上限も決まってしまいます。継続できるビジネスモデルにするためにも、徐々にインバウンド外国人観光客にも視野を広げ、本格的にマーケティングをするようになりました。
マーケティングを行う際には重要視したのは「自己分析」と「ターゲティング」です。国内外には多くのラフティング施設があるので、まずは私たちが提供する「みなかみ町」の良さや立ち位置を知り自己分析する必要があります。そして、日本人だけではなく外国人を狙うのであれば彼らが何を求めているのかを把握しなければなりません。国籍や年齢層に応じて、旅行や日本に求められているものは何かを理解する必要があると考えました。
これらの情報を経て実施した戦略や、数多くの海外アクティビティの体験からのアイデアを基に、私たちのインバウンドビジネスはかなり高い水準で推移しています。環境省や観光庁が主催する勉強会などにも召集されるなど、私自身が得られた価値を還元できる機会があることは大変ありがたいです。
みなかみ町でのアウトドア体験の魅力
私たちキャニオンズが大切にしているのは「Refresh your mind, body and soul;心も体もリフレッシュしよう」という考え方です。キャニオンズに訪れる方々の目的はさまざま。自然に浸りたい、ストレスから解放されてリフレッシュしたい、スリルを楽しみたい、友人と再会したい、新たな友達を作りたい…。私たちは、どんな目的であれ、キャニオンズに来た全ての方が心も体もリフレッシュできると自信を持っています。
これからも、みなかみ町の美しい自然を舞台に、多くの人に新しい発見や感動を提供したいと思っています。私が初めてみなかみ町を訪れ、電車から降りたときに感じる「こんな素晴らしい場所でラフティングができるなんてすごい!」という感動を、より多くの方に体験していただきたいのです。自然とのふれあいや、新たな挑戦を通じて得られる達成感は、日常生活では得られない特別なものです。そして、その経験が参加者一人ひとりの成長や心のリセットにつながることが、私たちにとっても何よりの喜びです。毎日のツアーには「挑戦を通して得られる達成感や成長を大切にしてほしい」という私たちの思いが込められています。