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食の革命、ここにあり。
いちもんが描く群馬の未来
株式会社いちもん
取締役
木下 隆介
石川県金沢市出身。2013年に株式会社エムアンドケイに入社、2016年に同社取締役就任。2019年には株式会社いちもん取締役に就任。現在、飲食事業を中心に地域密着型のビジネス展開を進める一方、地域活性化を目指した取り組みを強化中。
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食の革命、ここにあり。いちもんが描く群馬の未来
株式会社いちもん 取締役
木下 隆介
石川県金沢市出身。2013年に株式会社エムアンドケイに入社、2016年に同社取締役就任。2019年には株式会社いちもん取締役に就任。現在、飲食事業を中心に地域密着型のビジネス展開を進める一方、地域活性化を目指した取り組みを強化中。
海なし県・群馬を「握る」
回転寿司いちもん
私は現在、株式会社いちもんの取締役として群馬県を拠点に飲食事業を展開しています。いちもんは1978年に創業し、群馬で寿司店や水産品の加工卸売事業を営んできました。しかし100円回転すしの競争が激化し、創業者の健康問題も重なり、事業譲渡が検討されていました。そんな折、親交のあった株式会社エムアンドケイからの提案を受け、2019年に新たに株式会社いちもんを設立し、事業を引き継ぐ形で経営に関わることになりました。
元々石川県出身の私ですが、今では群馬に強く惹かれるようになっており、地元に根ざした事業を展開することを大切にしています。私たちの主軸である飲食事業の回転寿司では、群馬県のさまざまな生産者や食品メーカー、飲食店と協力し「群馬を握る」という限定メニューを打ち出し、地域の価値を伝えることに注力しています。また、エムアンドケイグループの一員となることで北陸の新鮮な魚介類を仕入れることができ、質の高い商品をお客様に提供できるようになりました。
積極的なオリジナルブランドの展開
現在当社では地域の魅力を伝える「群馬を握る」シリーズをはじめ、さまざまな取り組みを進めています。このシリーズは、群馬県の特産品や食材を活用し、地域と共に成長するための一環としてスタートしました。たとえば群馬の「下仁田納豆」を使用したメニューは、テレビで紹介され話題を呼び、地元の誇りを再発見するきっかけにもなりました。
さらに、私たちは昨年から事業再構築補助金を活用し、新たな分野への進出を図っています。たとえば、ねぎとろ製造事業や鰻料理専門店の設立。ねぎとろは安価なイメージが強いですが、私たちはこれに付加価値を加えることで、より魅力的な商品に生まれ変わらせたいと考えています。また、鰻といえば日本の伝統的な食材ですが、その進化の余地は実はまだまだ残されており、私たちの店舗で新しい価値を提供し続けています。
そして地域に根ざしたビジネス展開だけでなく、物販の展開も進めており、近年では急速冷凍機を導入した加工製造エリアを設立しました。すでに大手百貨店のお中元ギフトとしても採用され、販路は順調に拡大しています。
「群馬なんて」なんて言わせない。
地域とともに未来を築く
私たちが目指しているのは「群馬で一番の飲食企業になること」。地元群馬を代表する存在となり、「群馬といえば、いちもん」というブランドイメージを確立したいと考えています。そのためには、地域との関わりをさらに深め、地元の生産者や食材を積極的に取り入れながら、地域全体と共に成長していくことが不可欠です。
私は石川県出身ですが、群馬に来て感じたのは、地元の人々が意外にも自分たちの地域の魅力に気づいていないことでした。「群馬には何もない」という声をよく耳にしますが、私はそんなことはないと強く感じています。例えば、群馬の納豆や地元の農産物には他県に引けを取らない高い品質があり、それらを活用したメニューや商品を通じて、地域の誇りを再発見する取り組みを続けているのです。
私たちは今後も、地域密着型のビジネスを基盤としながら、さらに新しい事業にも挑戦していくつもりです。地域の魅力を発信し続けることで、群馬県全体の発展に貢献し、地域の価値を高めていくことが私の目標です。